オリジナル創作「ボクと、恋と、御主人様。」の24話です。




伊織メイン話となります。
今回はっちゃけ具合はあまりないかなと。やっとあいつを出せました!



物語詳細やキャラ紹介などはボク恋カテゴリーの総まとめの記事を参照よろしくおねがいします。



▽以下オリジナル創作含みますので注意してくださいね。








リンリン、リンリン

リンリンと髪を結ぶための紐につけて鈴が鳴る

それは今俺が俺であることを表すものでこれが聞こえなくなったら今俺は俺じゃない


歩くたびに鳴るそれは俺の意識を保っているものの証なんだと

それはもう一人の俺との約束だ――






*24話「もう一人の」






それは昨日のことだった

なぜか俺の友達の廉馬と幼馴染の瑞稀ちゃんが接触していた


いや、実は廉馬が気づいてないだけで瑞稀ちゃんとは前から学校で知り合っていたいたのに

瑞稀ちゃんは普段は男装のためそれに廉馬が気づかなかったようだ



そんなこんなで天満から呼ばれて向かってみれば

廉馬は女の子姿の瑞稀ちゃんを気にしているようだった

なので俺は手助けしてやった、親友のために




「もしもし。廉馬?」

『あ、なんだよ伊織』

「いやーみゆちゃんからメールきたかな?って」

『あ・・・?お、おう・・・』



昨日瑞稀ちゃんは廉馬へお礼がしたいからと廉馬のメアドを教えてやった

そんな別に瑞稀ちゃんが悪いわけではないのにそんな律儀なところは変わらないのが瑞稀ちゃんらしい



『なんか感謝された・・・メールで』

「そっかそっかみゆちゃんらしいなぁ」

『お前かよ、教えたのは。まぁいいんだけどよ』



廉馬はわかりやすい

この”いいんだけどよ”は嬉しい証拠だったりする、わかりやすい

あいつはツンデレだから








++++++++++++++++++++++++++++++







「んで、なんで俺はここに呼ばれてるんだ?」

「さあな、なんでだろうな」



廉馬との電話の後、珍しいやつから電話がきた

それは俺のライバルで倒すべき相手でもある西園寺千怜、その人だ



「お兄様、そんな固くなってはダメです」

「おう、でもな花奏。お兄ちゃんはな、こいつを倒すために日々訓練を積みレベルを上げてきたんだ。まだこいつを倒すべき時ではないが挑むべきなんだろうか・・・」

「お、お兄様?」

「バカかお前は」

「バカっていうな!!」



妹の花奏もついてきていた

出かける前、花奏に西園寺家に行くというと今月のデートを今日消費すると言ってついてきた

そんな許嫁同士のデートがそんな義務的でいいのかと思ったがこの二人は許嫁は形だけの形式のようだしいいのだろう




「にぎやかですね、はいお茶です」

「ありがとうございます、瑞稀さん」



そこにお茶を運んできた瑞稀ちゃんがやってきた、そんな頃を見計らって



「廉馬のメールアドレスを瑞稀に教えたとは、本当か?」



千怜による怒りの一言ではじまった



「なんだぁ、そんな事かよ。相変わらず千怜は独占欲強いな!ははは」

「何が可笑しい?」

「こんな大財閥の息子の悩み事がこんな女の子のことだぜ?笑いしかでなくてさ、ははっ」

「・・・・・・」



千怜の頭にぴきっと青筋が浮かんだであろう、しかし千怜は我慢してこちらを睨みつける

俺はそんな事ができるこいつがずっと


そう羨ましかった



「お、お兄様・・・」



花奏が心配そうに見る

こいつだってそうだ、俺がしっかりしたちゃんとした大人になれたらこいつを西園寺家の許嫁などにさせず自由にさせることもできたんだ

こいつがふつうの恋もできずに家に縛られてしまったのは俺のせい

俺が弱かったからだ




萩野原財閥は西園寺財閥より小さい財閥で遠く及ばないが親同士が知り合いなだけあり俺は小さなころから同い年の千怜と比較され生きてきた

それはいつも俺の負けっていうのがいつものこと

いつも俺は千怜の背中を追っていた



花奏が千怜の許嫁になり、妹も取られた気がした

俺にはいつも千怜の後ろってポジションが付きまとっていて

敵わないんだ、敵わない

いつもそうなんだ、俺は千怜には敵わない




「おい」

「ああ・・・敵わないよ、千怜には、ね」

「あ?今はそんな事を聞いてるわけじゃ・・・あぁもう面倒だ」



千怜が近づいてくる

あいつの手には丸めた新聞紙

あぁきっと俺じゃ埒があかないと思ったんだろうな

来るであろう衝撃に目を閉じた、鈴の音が消えた








++++++++++++++++++++++++++++++








バシッと音を立て丸めた新聞紙で伊織の頭を殴った

これはこいつの頭に衝撃を与えるためのいつもの行動だ、花奏も瑞稀もこの事は知っていたため対して驚きはしなかったようだ

きっと楓がいたらなんだかんだで騒ぎ出すんだろうなとか思いながら、顔を上げた伊織を見た




「気づいたか、紀織」

「ああ・・・久しぶりだな、千怜」



そう言って”紀織”は髪を結んでいた紐をほどき、耳のイヤリングを右側につけなおす

これは伊織から紀織への”変わった”という証だ

伊織は紀織と変わったのだった



「というか、お前はいつも強引なんだよ呼び出すのが。なんだよその新聞紙は」

「この方が手っ取り早いだろ?」

「まぁ電柱に頭ぶつけて変わった時よりかはましだったがな」



そう言って無造作な髪を揺らす

いつものことだがそんな動作がいつもの伊織はしない動作で妙に変な気分だ



「伊織のやつ、結構ダメージ来てるな。心に。お前がしつこいから」

「もとはと言えば伊織がメアド教えたりするからだろ?」

「もとはと言えば瑞稀に女装させて街に出かけさせるお前が悪い」

「いえ!ボクが廉馬さんとぶつかったのが悪いのです、紀織さん」

「瑞稀は黙ってて」

「は、はい・・・」



紀織の一番は伊織だ

こいつの時は女がやけにこいつに群がっていたりするがそんなことをやっていても一番は伊織なんだ

きっと伊織を助けようとしている


しかしオレも譲れなかった



「今回でもし瑞稀が女だってばれたら、どうするんだ?瑞稀がみゆしか持ってないメアドを持ってるって廉馬が知ったら?」

「相変わらず用心深いな。瑞稀と廉馬はもともとそんなに仲良くなかったろ?そんな機会ねえさ」

「無いとはいいきれんだろ」



しつこい奴だ、とたぶん紀織から呆れられただろう

が、オレには瑞稀を守らなきゃいけない

譲れないのだ




「わかった、伊織に気を付けるように言うよ。俺も裏から見張る。それでいいだろ、あったものは仕方ない、もうなかったことにはできねぇんだ」

「ああ、頼む」

「じゃあな」




紀織らしい簡潔な結果をだし、あいつは花奏と一緒に部屋を出ていった









++++++++++++++++++++++++++++++









鈴が鳴る―

俺は目を覚ます――




気づいたらそこは西園寺の家じゃなく、自分の部屋だった

きっと”あいつ”が取り乱した俺の変わりに話をつけてくれたんだろう

ふと、頭から声がした




『大丈夫か、伊織』

「あー紀織か、迷惑かけたかな?また・・・ごめんな」

『いやいいんだ。俺はお前だから』

「ありがと、んで、どうなったの?千怜は?」

『まぁ俺とお前で廉馬の件は気を付けることになった。あいつは馬鹿だし瑞稀のことなんて気づくことはないだろうけどな、念のためだ』

「それ廉馬に言うなよ?俺がしばかれるんだからな」

『はいはい』




俺の心の傷が生み出した、もう一人の俺

そんな俺に感謝しながら、携帯の日付を見入る




「7月、か。夏だね、紀織」




その声はもう一人の俺に聞こえたのかはわからなっかったが、多分あいつも頷いてくれたと思う




「さて。遊ぶ計画立てなきゃな。今年は楓が追加されたことだし楽しくなるぞ!廉馬も、やっぱり秘密は隠しながらでも応援してやりたいしな」




立ち上がり伸びをする

そうすると髪にむすんだ鈴が鳴った、俺は今そこにいるんだと言ってくれているように








*************************
24話でした。
今回は伊織話です。そろそろ伊織のもう一人の紀織を出したかったのもあってそんな伊織と紀織の初コンタクトな感じも。

伊織と千怜メインですがやっぱ二人はライバル関係みたいなものですね。千怜はそんなに思ってなくても伊織がずっとそう思ってきたような感じで。それも千怜はわかっているのですが。
そんな雰囲気も出てたら良いなと。

瑞稀がそんな話のせいで主人公なのにあまり出番がないのはしょうがないですね、ごめん瑞稀!!



ここまで読んでくださりありがとうございました、次回に続きます。