オリジナル創作「ボクと、恋と、御主人様。」の22話です。




前回の続きで、今回は廉馬視点メインとなります。
近衛双子と、とある人物が追加になりますが果たして・・・?



物語詳細やキャラ紹介などはボク恋カテゴリーの総まとめの記事を参照よろしくお願いします。




▽以下オリジナル創作含みますので注意してくださいね。












履き慣れていない、歩きなれていないヒール付きのサンダルでぎこちなく歩いていた

そんなことだからいつかこけるかしてしまうだろう・・・とか思っていた矢先

誰かにぶつかった



しかもそれが知り合いだとは、思いもしなかった――






22話「近衛廉馬の初恋」






頭に衝撃が走った――

一気に目の前の世界は、自分の目の前にいる女の子だけになる

これは一体、何だろう―――




「れ、廉馬・・・!!」




そんな俺を現実に引き戻したのは、天満の声だった




「あ、ああ・・・悪かった。立てるか?」

「はい」




俺の手を取りたった彼女

思ったより小さく、その小さな体の半分以上をしめる長い髪が夏の日差しにあたりキラキラ輝いていた

俺はそんな姿にだけにも見惚れてしまっていた




・・・見惚れる!?

見惚れるってなんだ、俺は女を見てさっきから何考えてんだ!?




「うわあああああああああああ!!??」

「れ、廉馬!?ど、どうしたの!?」

「えっと、何が起きたのでしょう?」




ああ、声も可愛い・・・

って何考えてんだ!

うわああああああああああ!!??




「天満、俺もうダメかもしんねぇ・・・」

「えええええ!!??」






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「え、えっと・・・廉馬、大丈夫?」

「ああ・・・」

「そして、お姉さんも・・・」

「はい」





何故かパニックを起こした俺を心配した廉馬は公園に移動し、飲み物を渡してくれた

そして先ほどの女の子も一緒に心配したのかついてきてくれた

俺にとって彼女が傍にいるのがいいのか、悪いのかわからなくなっていた


とにかく人見知りの天満がこの場を収めることができるはずもなく3人には微妙な空気が流れていた




「先ほどはすみませんでした、怪我はないです、か?」

「はい。大丈夫ですよ。飲み物ありがとうございます」

「いいえ・・・お詫びと、暑いですからね・・・」


「・・・・・・」

「ほら、廉馬も・・・」

「ああ・・・」



俺は天馬にせかされ彼女に向き合った



「さっきは悪かった。俺は近衛廉馬だ。こっちは兄の近衛天満・・・怪我してないようで何よりだ」

「こちらこそです、ボ・・・私は西園寺みゆと申します」

「さ、さいおんじ??」

「は、はい・・・」




なんかどっかで聞いた苗字が出てきた

俺がそんなこんなでポカーンとしていたそんなときだった




「廉馬、おめっとーーーー!!!」

「!?」



誰かが突進してきた

誰かと思えば・・・



「い、伊織!?」

「いやぁ廉馬に春が来るとは・・・お兄さん嬉しい。今日は赤飯だな!」

「なんだお前!?なぜここに・・・!!」

「ああ、俺が呼んだんだよ・・・伊織くんからさっき廉馬がうなってる時に連絡があって・・・」

「はぁ!?」

「お前が無言電話してくるからだろ。天満に連絡してみたら、女の子と見つめあって動けないとかいうじゃん?これは夏と秋と冬通り越して春が来たなと!」

「はぁ!!??」

「んでお相手は・・・・・・・」



そんな伊織が彼女を見つけるとなぜか伊織は固まってしまった

表情的には”なんでお前がこんなところに?”という表情だろう



「ちょ、この人借りてくな!」



伊織はみゆさんを連れて俺たちと少し離れた場所へ移動していった






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ボクは突然現れた伊織さんに人気がない場所に拉致された

ちょうど助けがほしかったので、正直助かった




「伊織さん、ナイスです」

「いやいやいや、瑞稀ちゃん何やってんの!?」

「これは非常にながーい訳がありまして」

「何、話してごらん?」

「千怜様からの命令で女装して買い物を」

「うん、短かったね、一行だね」




はぁ・・・と息を吐く伊織さん

正直ボクは彼が来てくれて助かった




「まさか廉馬さん、天満さんと鉢合わせするとは思わなったので。しかもあちらはボクに気づいていないようでちょっとショックでした。気づかれても困るのですが・・・」

「繊細な乙女心だな・・・まさか廉馬の相手が瑞稀ちゃんとは・・・」

「相手?」

「いやいやいや」




手を目の前で振り何でもないと伊織さんは話題を変えた




「しかし瑞稀ちゃんが女装・・・というか女の子姿になるとは・・・何年ぶりかな、こんな姿みるの」

「ボクも覚えてません。久々のスカートに自分でも戸惑っているところです」

「んで、廉馬たちにはなんと説明したの?」

「はい、偽名を。申し訳ないですが西園寺の名を借りました。そして以前千怜様がつけた名前『みゆ』をとっさに拝借させてもらいました」

「まぁ、一応西園寺家の人間だしな・・・じゃあそれで通すしかないか。話あわせてくれよ?」

「はい。・・・あとすみません、千怜様にメール打たせてください」

「ああ」




ボクは出かけ先で、近衛双子に出会い、ピンチのところを伊織さんに助けてもらったことをメールで千怜に報告した

帰りは遅くなりそうだ、と添えて




「しっかし・・・これは面倒なことに・・・」

「はい、知り合いにまさかこの姿を見られるとは」

「いや。瑞希ちゃんの知らないところで大問題がだな・・・」




そう言い伊織さんはボクを改めてみて、ボソっと




「うん、今更だけど似合うよ。可愛いぜ?」




一言そう言ったのだ―――







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「いやーお待たせ」

「なんだよおせえぞ。伊織」

「いやな、知り合いだったからびっくりして。逢うのも久しぶりでな」

「やっぱ知り合いか。西園寺って言ってたし・・・」

「ああ。彼女は西園寺みゆ。千怜の遠い親戚でな、俺も久々に会ったんだ。な?」

「はい」




帰ってきた二人は、事情を話し出した

西園寺と名乗っていたのだからやはりと思ったが・・・千怜の親戚だった

西園寺家の人間なら萩野原家の伊織とは認識あるのは理解できた、なんせ伊織の妹と千怜は婚約者だし




「廉馬さん、天満さん。このたびは失礼を・・・」

「い、いえ・・・俺たちも悪かったのだし・・・」

「いえ、ぶつかったのはこちらですし」




天満とみゆさんが謝りあっている、その時、伊織が立ち上がった




「あーそんな事は置いて!!ぶつかったお詫びに、廉馬、彼女をエスコートしてあげたらいいんじゃね?」

「は!!??」




思わず変な声が出た




「お前何言ってんだ・・・!!」




そう言った俺に近づいてみゆさんや天満に聞こえないように、伊織は耳打ちしてきた




「お前、みゆさんに惚れたんだろ?」

「!?」

「ここを逃したらもう逢えないかもしれないんだぞ?いいのか、逃しても?」

「って俺は別に、そんな事はねえよ!!」

「俺が取り持ってやるよ?ほら、どうする?」

「・・・・・・」




俺はちらりとみゆさんを見た

もう逢えなくなると思ったらなんだか胸が苦しかったのだ




「お前がどうしてもって言うなら・・・」

「ああ、どーしても!!」




こうして2人保護者付きの俺の初デートがはじまった――








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「・・・・・・」

「どしたのちぃくん、スマホ見つめて鬼の形相して」

「いや・・・瑞稀が」

「みすきちが?どしたの?」

「近衛双子と伊織と会って、帰りが遅くなるらしい・・・」






俺とちぃくんはそっとその場から立ち上がった―――









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22話でした。
前回の続きの廉馬との接近です。廉馬の初恋ですね。

初恋に戸惑う廉馬とそれを気にもしない気づかない瑞稀の話は次回も続きます。
千怜と楓も最後にちょろっと出しましたが、まぁこの二人なら瑞稀からのメールみてこうなるだろうなと。

伊織も本格的に登場です。
伊織はいつか彼メイン話を考えていますのでそこまでちょいお待ちくださいね。

ちなみにみゆは千怜が1話で瑞稀につけた偽名ですね。




ここまで読んでくださりありがとうございました、次回に続きます。