オリジナル企画・虹色*キセキのキャラSSです。


今回はメインは熱血でキュートなスポーツ少年・暁篇です。


▽以下オリジナル創作含みますので注意してくださいね。





おれの得意の事と言ったら…身体を動かす事

ただそれだけ!


そう胸を張れるようになったのは随分の昔の事だけど、それの意味が変わっていったのは

あのキセキが起こった日から…だった





*加賀美暁と夕焼け*





今日も今日とて、おれ、加賀美暁は放課後の学校を走り回る

それは、そう、色んな部活の助っ人!


おれがあの日身につけた奇跡能力は

周りの範囲に誰が、何があるのか見渡せるといった能力だった


と、そんな説明しても分からないような力だけど

とりあえず範囲内なら人や物がどこに今あるのかいるのかわかる力だな

そんな力と、幼い頃からスポーツが得意だったためにおれは放課後限定の人気者になったのだ

こうやって能力と得意分野を使い、部活の助っ人をするのも奇跡部の活動の1つだしなっ!



暁「さてと、今日の助っ人はあと一つだっけ?確かサッカー部だったよな」



どうやっておれはサッカー部が練習するグランドに向かう

そこに何故か見知った顔があったのだ



暁「お。陽鞠ー!お前何やってんだ?」

陽鞠「あ、暁くん。こんにちは」

暁「お前がこんな所にいるなんて珍しいよな」



陽鞠はお世辞とも言えないくらい運動が苦手だ

だから放課後にここにいるのは…なんでだ?



暁「お前…もしかして迷子か?」

陽鞠「ううん。私はね、暁くんにこれ渡すの忘れちゃってて…」

暁「なんだこれ…って牛乳!?なんでこんなもん!?」

陽鞠「いやぁ、見た限り暁くん、今日の牛乳摂取量足りてないと思って…」

暁「ぐ…家帰ってから飲もうと思ってたんだって」

陽鞠「そうやって飲まないに10円賭けてもいいよ?」

暁「賭けるなよ!?ってか安い!?」



なんと言っていいか…おれは身長が低い

本当に低い…これが今のおれのコンプレックスだ

あの時奇跡能力が手に入るのが今だったら絶対背が高くなるように祈ってたんだけどな

そして身長を伸ばすために牛乳を飲もうとするけど実は牛乳が大嫌いなおれにとって最難関なんだ

あ、なんか、悲しくなってきた…



そんな陽鞠との出会いの中、サッカー部員から呼ばれておれは練習試合にでることになった

何故か試合が始まっても陽鞠はグランドで試合を見ていて

ふと、不思議に思っていたその時――!!



暁「う、うわああ!?」



おれはカッコ悪くズッコケていた

しかも膝を擦りむいて


陽鞠が急いで駆けつけてくる様子が横目でみえる…

おれって…恥ずかいっ!!!



陽鞠「大丈夫?見事にすっ転んでたね」

暁「思い出させるなー!恥ずかい…おれってスポーツの天才なのに…」

陽鞠「ボールがどこからくるかとか能力使わなかったの?」

暁「え?だって、あまりこの学校内では能力使用厳禁だろ?緊急事態は別だけど」

陽鞠「暁くんが緊急事態だった…!」

暁「う。思い出させるなって!!」



まさか陽鞠に見られるなんて…

おれの鍛錬が足りないせいなのか、でも今日は陽鞠がいたから気になって集中出来なかったんだよな

やっぱ鍛錬不足かな



陽鞠「まぁ、誰にも不調の時はあるよ。だから気にしちゃダメだよ。ノープロブレムだよ」

暁「そっか…そうだよな、サンキュ!陽鞠」

陽鞠「いえいえ……。って……あ!!」

暁「!?」



おれが陽鞠にお礼を言った直後…

陽鞠はおれに突然近づき…おれを突き飛ばした…!!

おれは何が起きたかわからずに…その場に倒れる

そしておれを押した陽鞠には

サッカーボールが直撃していた



暁「お、おい!大丈夫か!?陽鞠!!」



おれは倒れた陽鞠を抱き上げ、身体を起こす

そして陽鞠に呼びかけるも返ってきたのは気の抜けた返事だった



陽鞠「あれれ…やっぱ痛いね」

暁「痛い!?どこが痛い?教えろって!」

陽鞠「うーん、ボールが当たった右腕かな。でも明日になればきっと痛みは引くと思うし」

暁「でも痛いだろ、えっとどっかに湿布は…」



先程おれが怪我の応急処置をしてもらった時の救急箱から湿布を出し

そして陽鞠の前に持ってきて、一時停止した



暁「え、えっと…腕、まくってもらえねぇかな?これじゃ湿布貼れねぇし…ってやましいことは何もなくてだな!」

陽鞠「はい、どうぞ」

暁「……相変わらずあっさりだな」



おれは陽鞠のボールが当たり、真っ赤になった腕に湿布を貼った

これらな一応大丈夫かな?


ふ、とそこまでの作業をした時におれはある考えが浮かんだ

さっき、陽鞠はおれをかばった…?



暁「陽鞠…お前もしかして…予知した?」

陽鞠「あ、うん、予知したよ。夢で見たんだ、暁くんがボールに激突する夢。だからそうならないように助けにきたの」

暁「やっぱり…」



陽鞠の奇跡能力は未来に起きる事が夢でわかる

そう、予知夢だ

だからおれの事を庇うためにここに来て、そしてかばって…



暁「牛乳は嘘の理由だったんだな?」

陽鞠「うーん、半分本気だよ?」

暁「それは本気なのか!?……はぁ、でもお前が怪我しちゃ意味ねぇだろ。痛いのはお前なんだし」

陽鞠「私は…大切な友達が怪我するのがもっと痛い…かな」

暁「……」



そう言えば陽鞠はこんな奴だったんだよな

友達や大切な人のためなら自分なんて怪我してもいい…そんな性格な女の子だ


そんなお前だからおれは陽鞠を大切な友達だと思ってるんだ



暁「ありがとな!おれお前のそういうところやっぱ変わんねーし大好きだぜ」

陽鞠「……大好き?」

暁「……え?あ、いやそういう意味じゃねーよ!遼平じゃあるまいし…!!」

陽鞠「私も暁くんの事大好きだけどな?」

暁「お前の場合、その意味じゃねーだろ!?そんな事簡単に言っちゃダメだって!!」

陽鞠「……?よく分からない」



こうしてこの日はサッカー部の助っ人なんてまともに出来なくて

そんな陽鞠との楽しい時間はあっという間で、周りはもう夕暮れのオレンジ色に染まっていた

夕焼けをバックにいつもの顔を浮かべる陽鞠は

なんだかいつもと違って、可愛く見えたなんて

内緒だからな?



暁「さて、今日はもう帰るか。陽鞠、送ってくよ」

陽鞠「うん、ありがとう。お礼に牛乳おごってあげるね?」

暁「それはいらねぇって。そんなに何かやりてぇんなら、甘いもんくれよ」

陽鞠「……だから牛乳」

暁「だから何で牛乳ばっか!?せめて何か加工してくれって。生はダメだって昔から言ってんだろ…」

陽鞠「飲まないと大きくなれないよ?」

暁「……分かってるって。ほら、帰るぞ」



いつも距離といつもの帰り道

それはちょっと違ってみえる日はいつになるんだろう――?






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虹色*キセキの第5段は暁でした。
明るく熱血ながらも小さな可愛い感じの男の子ですね。陽鞠とは仲良し設定なのでそんな仲良し感を出せてたらいいなと頑張りました。あと牛乳嫌いな設定も。そう言いながら身長のため我慢して毎日飲んでたり。

暁の奇跡能力は周りの範囲に何が、誰があるのかいるのは把握でき見渡せる能力です。
そんな力が身に付いた理由も書きたいですね。
ある意味便利な能力です。誰か迷子になったらすぐに見つけ出したりできるので。平和な能力なのかもです。
あと陽鞠の能力も出ましたが予知夢です。この理由もしっかり描いていきたいかな。

次回は遼平篇の予定です。